『狂行!日本一周左回り7日間船の旅 その1』(写真旅行記 2003年、日本一周直江津・博多参照

九州遠征編
  “直江津から船に乗って博多へ行〜ったぁ〜”って、ヲイ。(-_-;)

『直江津フェリーターミナル』

平成15年5月24日、15:00
国道18号線の突き当たり、直江津佐渡汽船FT前を、右折して左折して右折して・・・。
旅のお供の愛車を転がし、どうにかこうにか直江津フェリーターミナルにご到着である。
で、「なんなんだかなぁ〜、なぁ〜んも無いなぁ。」 ←あ、ここは阿藤 快さん風ね。
「一体、ど〜したんですかぁ?アクアさん」 ←もちろん、熊倉さん風で。
ってくらい、一人芝居していても恥ずかしくないような、見渡す限りなぁ〜んも無い・・・状態なのである。(w
ただ、シャーシが十数台と2階建てのさして大きくもない古ぼけた建物がポッツ〜ンとあることで、かろうじてここがフェリーターミナルであることを主張している。
あとは、てんでに車を止めた釣り人達が糸を垂らしているだけ。
あぁ、他の北海道航路のそれに比べ、なんと寂しいターミナルであろう。

ヒマつぶしの為、とりあえず港外を目指す。
室蘭から入港して来るであろう「ニューれいんぼう べる」を狙おうと、車で北へ移動。
釣り人の車が延々と連なる港湾開発用道路を15分ほど北へと走らせる。
さわやかな潮風が吹き抜ける堤防に腰掛け、の〜んびりと海を眺めて過ごす。
それにしても釣り人の多い事、多い事!他にする事は無いのだろうか?(wwww
と思う自分は、これから船で日本一周しようとするところがとってもアレな訳でして、人様をどうこう言える立場にはまったく無いのである。(爆
待つこと暫し30分。
薄もやの中から佐渡航路の「こがね丸」が姿を現し、ゆっくりと港に消えていく。
その十数分後、追いかけるようない勢いでジェットフォイルが入港。(旅行記写真1〜3枚目)
逆光と遠すぎる為 、撮影には向かないようだ。
結局、港へ戻る事に。

『「ニューべる」入港』
16:00
九越フェリーの対岸突堤で「ニューれいんぼう べる」の入港を待つ。
土曜日の午後、家族連れで釣りを楽しむ人が多い。
釣竿がずらりと並ぶ傍らで、バーベキューやらお弁当やらを広げている。
家族総出で楽しんでるんだなぁ。何だか疎外感を感じる。(w

16:15
室蘭より「ニュー べる」入港。(旅行記写真8〜29枚目)
船首に立っている甲板員の姿が小さく見える事。
あらためて船の大きさに驚く。
「ニューべる」は、狭い港内で180度ターンを決め、静々と後退しながらバースに着岸。
次の「ニューらぶ」到着まで2時間もある。
乗船までの夕食や、船内用食料調達に18号線沿いのショッピングセンターに向かう。

買出しから港に戻るやいなや、汽笛を響かせながら佐渡汽船の「こがね丸」が出港。
ここでも逆光気味で、写真写りは期待できそうに無い。
それにしても佐渡汽船の「こがね丸」。
他の大型フェリーに見られるような無骨さが無い。
そのシルエットはまるでクルーズ客船のようである。(旅行記写真4〜7枚目)
港外には、何時の間に到着していたのか、「ニューらぶ」が待機中。
「こがね丸」の出港を待ちかねるように入港。
「ニュー べる」と同じように、しかし、こちらは270度ターンを決める。
「余計に回っております。」と一人ツッコミ。 ←ああ、俺って奴は・・・
それにしてもあんな狭い港内で、1万トンの船が着岸するシーンは全く見事なものである。(写真30〜39枚目)
着岸を見計らい、「ニューべる」「ニューらぶ」姉妹の記念撮影。(旅行記写真40〜45枚目)
・・・エ、エ〜ィ、釣り竿がジャマ!!(w
19:00
撮影後、日の落ちたターミナル2階の待合室で、買ってきた弁当でわびしい夕食をとる。
出港時間まで、思いのほか余っている。
ヒマ潰しにPCを立ち上げ、通信環境を確認する。
PHSは通じるものの、何度試しても32Kしか出ていない。
まぁ、携帯に比べればはるかに快適ではあるが・・・。

『「ニューべる」乗船記』
21:00、乗船開始。
2等モノクラスの合理化船とは如何なる船か、不安と期待を胸に乗船する。
エントランスに上がり、乗船手続き。(旅行記博多写真4枚目)
接客は事務長さん、お一人のようだ。
コンパクトで有りながら、以外に明るくて清潔感のある船が第一印象。
部屋割りの案内を受け、船室で旅装を解く。
船室は4人部屋で窓があり、窓下に小さな机と2脚の椅子が用意されている。
ベッドは1段でカーテン引き、ベッド下には引出し式の物入れが2つ。(旅行記博多写真22枚目)
これが本当に便利。
足元にはベッドNoを書いたスリッパ。 ←これが後のハプニングの解決に・・・
予想以上に快適な部屋である。
良い意味で、期待を裏切ってくれました。
他の部屋は夫婦・家族単位で部屋を手当てしているようだ。
カギまで持たされており、実質的な個室扱いをしている。
ますます、好印象!!

エントランスホール両脇のソファボックスシートは喫煙場所。
上のデッキの同じ位置には禁煙場所と区分けもすっきりしている。
壁際にコンセントを発見。
テーブルはあるしで、PC作業にはバッチリのロケーションだ。

レインボウホールでは、ドラさん達が既に酒盛りの真っ最中。(旅行記博多写真23枚目)
テーブルの上には、スーパーで仕入れた、酒のツマミがゴッチャリ。
メニューは、鰻の蒲焼からラーメンまでと多岐にわたる。
胸焼けしそうなオイリーなメニューはご愛嬌!(w
電子レンジや給湯器、取り皿からカップまで、ドラさん達用に用意されており、このあたりにも物流フェリーのサービスを見たような気がする。

『出港』
22:00
こちらは陸側のソファを占有し、PCを広げる。
ちょうど開いていた、とあるチャットに参加。
チャットに夢中で、いつのまにか離岸していた。
陸地が遠ざかるにつれ、電波も弱くなってきた。
出港の旨を告げ、チャット終了。
最後に管理人さんから、UW旗掲揚の粋なメッセージを入感して通信終了。
皆さん、お見送り感謝です!(旅行記博多写真24枚目)
初体験のネット出港、これは意外に面白かった!!
かくして日本一周船の旅、第一日目が終了。

『早朝のハプニング』
5月25日、04:15。
夜明けを見ようと早起きをするが、外は曇天。(旅行記博多写真25枚目)
しかし、波は穏やかで揺れも無く、極めて順調な航海が続いている。
やむなく、ベッドに戻る。
07:30
朝食の時間までは間があるので、風呂の撮影もかねて朝風呂へ。
オオッ、TFさんの「いしかり」より多少小さいが、立派な展望風呂ではないですか。
早朝の日本海を眺めながらの一人朝風呂。
その気分は格別!

風呂上りに冷たいお茶を一杯、って訳でレインボウホールの自販機へ。
ここでこの旅、最大のハプニング発生。
誰もいないホールですっかりリラックスしていると・・・。
「あの、申し訳ありませんがお部屋を探して頂けないでしょうか?」といきなり背後から声をかけられる。
『うわ〜っ、なっ、何なんだ〜!!』と危うく声を出しそうになる。
兵法の基本である、朝駆けの奇襲を完璧に喰らってしまった。
心臓バクバク状態をごまかす気持ちで、何気を装いながらゆっくりと後ろを振り返る。
そこには船の浴衣を着た初老の品の良い女性が。
どっと冷や汗!(w
聞けば、就寝中の旦那さんを置いて船内を散策してはみたものの、部屋の戻り方が判らなくなったとか。
早朝で周りには全く人影も無く、どうしたものだろうと途方にくれていたそうな。
そんなところに、さも、ノ〜天気に自販機の前につっ立っていた私を見かけ、安堵のあまり声をかけたとの事。
確かに、同じような部屋のドアがズラリと並んでいるのだから、わからなくなる事も有るかもねぇ。
やれやれ、事務長さんでも叩き起こしちゃおうかな〜と思案しながら、ふとご婦人の足元に気付く。
よかったー。
ベッドNoの入ったスリッパを履いているではないですか。
当のご本人も気付かなったとの由。
部屋を探し当て、ご案内する。
ドアを開けてベッドを覗き込み、ご主人の姿を確認し、ホッと安堵されるご婦人。
こちらもそれを見て、ひと安心。
軽く会釈し、静かにドアを閉めて退出する。

朝一番のハプニングはこうして一件落着。
しっかし、驚いたなぁ〜!!
まっ、これも旅の面白さと言う事で・・・

08:00
朝食時間となり、レストランに乗船客達が集まり始める。
私は展望室で持ちこみのパンとカップコーヒーで朝食。
日本海を眺めながら、ゆっくりと朝食を楽しむ。

『塩津小学校』
10:20
エントランスホールに、あの塩津小学校のコーナーが展示されている。(旅行記博多写真3枚目)
今でもほほえましい交流があるようだ。
映画「白い船」のポスターも数ヵ所に貼られており、他の乗客の興味を引いている。
そろそろ、今回の旅のお楽しみである、塩津小学校沖を通過する時刻である。
が、しかし・・・。
陸側は雲にスッポリ覆われており、時折、雨粒が窓を叩くようになってきた。
残念ながら、今回はご縁が無かったようだ。
あきらめて船室に戻る。
まっ、次回のお楽しみという事で・・・。
いやっ、これが私にとっての、塩津小学校の観望連戦連敗記録の始まりの第一歩だったのだ。
因みに、本航路が廃航になるまで、五連敗を達成。
今となっては、ほろ苦い思い出となってしまいました。

『昼飯だ〜』
12:00
失意の中、船内をぶらついている内に、昼食時間がやってきた。
食券自販機で高菜ピラフを注文。
厨房から呼び出しを受け、料理を取りに行くセルフシステム。
量的にやや物足りないが、暖かい食事は何者にも代えがたいものです。
食後は、カップコーヒーを展望室で楽しむ。
ちょうど隣に居合せた、福岡のご夫婦と会話が弾む。
北海道と東北を車で巡り、直江津から乗船されたとの事。
当方は、本当の目的は話さずに、九州探訪とだけ伝える。
折角の話相手なのに、日本一周が目的だなんて話しをして、ドン引きされたら悲しいじゃないですか。(w
その後、お互いの旅の経験談などで時間をつぶす。
これもまた、旅の醍醐味。

移動性の低気圧の影響だろうか、いつのまにか本格的な雨に変わり、玄海灘を前に白波が立ち始める。
テレビニュースの天気予報によると、明日の九州は全域雨。
船もわずかに動揺を始める。(波浪予報は1.5m程度だとか)
このあたり、日頃の行いの結果とでもしておきましょう・・・(謎)
と、何時しか眠気が襲ってくる。
先ほどのご夫婦に会釈を交わし、寝台へ戻る。
同室の御仁も午睡を楽しんでいるようだ。
私も遅めの午睡を楽しむ事にしよう。
ともかく、明日の天気の回復を念じ、雨雲よあっち行っちゃえと、ひたすらおちゃらけ全壊モードな私であった。

「博多港入港」
17:00、寝台にて。
いつのまにか日差しが室内に差し込み、遅すぎる午睡から目覚める。
風雨も既に収まっており、博多湾を前に船足も衰えていたようだ。
左舷側の窓から西日に照らされた志賀島をのぞむ。(旅行記博多写真11・12枚目)
島の木々、その下を走る車列を見る。
何だか、久しぶりに生活の匂いがする風景を見たような気分だ。
島を回りこむにつれ、島影から博多の街がパノラマのように広がってきた。(旅行記博多写真13〜15枚目)
入港を急ぐかのように、幾隻かの定期連絡船が「ニューべる」を追い抜いて行く。
さすがに短距離航路のにぎわう港である。
防波堤の向こうに、観覧車やら立ち並ぶビル群。
その上を、街の中に沈みこむように着陸していく飛行機。
街のざわめきが船上にまで届きそうな雰囲気だ。
いつしかデッキには他の乗船客達が集まり始める。
もうすぐ我が家へ帰れるとの想いがそうさせるのか、見慣れた街を懐かしむように、お客さん同士でアレコレと会話が弾んでいる。
当然、私はカヤの外。
おおっ、あれに見えるドームは、今から数年前、ギャオス捕獲に使用されたあげくにガメラにブッ壊された福岡ドームではないですか!
等と、周りの会話を聞き流しつつ、おバカな妄想を楽しむ自分が・・・な、何!この疎外感は!!(w

サイロの立ち並ぶバースに係留されている、場違いな船に気付く。
明るいグレーを基調とした軍用船が2隻。(旅行記博多写真19・20枚目)
船尾には星条旗、 どうやら米海軍の掃海艇らしい。
船首に5と7がレタリングされている。
(その後、2013年にMCM-5、ガーディアンはフィリピン沖で座礁・解体の憂き目にあいました。)
多分、佐世保あたりから北の動向でデバっ来たのであろう。

そうこうしているうちに、いよいよ着岸準備。
積み上げられたコンテナの間に挟まれ、たたずむような小さなターミナル。
ほぼ直江津と同じような造りのようだ。

18:30
定刻通り、「べる」のランプから20時間ぶりの上陸。
初めての地、博多へ上陸。
今宵は中州の街のお誘いをお断りし、明日のハードな1日に備えてホテルでゆっくりとくつろぐとしよう。 ←本当だってば、本当よ!(w
あとは、ナビの指示で中州のホテルを目指す。

2日目も無事終了。

参考資料
自販機リスト
1、スナック類
東洋水産カップメン:各種 \200
ニチレイ 冷凍麺類: \450 ラーメン  \400 うどん・そば 
ニチレイ 冷凍食品: \450: 焼ソバ・焼うどん・たこ焼き・ナポリタン・ホットドッグ
・からあげチキン
           \400: 焼おにぎり
          \350: フライドポテト
2、飲料類
ビール   各社  500ml: \400  350ml: \300
          *発泡酒、日本酒は確認出来ず。
焼酎      500ml: \250  350ml: \200
ジュース類 各社 :\150
3、コンセント設置場所
・各部屋窓下に2口コンセント
・エントランスホール横ソファ左右壁際に2口コンセント(1F、2F計4カ所)
・レインボウホールは窓際の壁に計2ヵ所
・展望室も左右の壁下に計2ヵ所

最後に:
先日、東日本フェリー、九越フェリー等の会社更生法の適用という激震が走りました。
今回、合理化フェリーで有りながら、随所に九越フェリー乗務員皆さんの努力の跡がうかがえ、
清潔で快適な船旅を送ることが出来た事をご報告します。
皆さんも、この航路存続に何らかの応援をお願いしたいと思います。
それと塩津小学校のみんなの為にも・・・。
九越フェリーの皆さん、これからもこの航路の存続をかけた努力に期待します。
今度こそ、船上から塩津小学校を眺める事を願いつつ・・・。

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