『凶行、7日間日本一周船の旅 その4』 ”これも船旅の内さ・・・”
写真旅行記 2003年、日本一周太平洋フェリー参照

『「なんじゃ!こりゃ〜!!」by ジーパン刑事』
2003年 5月27日、17:00
途中、実家に立ち寄り、旅支度をし直しての名古屋港入り。
後半戦の北海道航路になだれ込む。
今回は、初めての名古屋港始発である。(旅行記写真TF、11〜13枚目)
平日にもかかわらず、多くの乗客がターミナル内で乗船を待っている。

18:30時
「いしかり」乗船開始。
車両甲板からエレベーターでエントランスホールへ。
船幅一杯を使ったエントランスホールは、いつ見ても広く明るい。
マリンスチュワーデスさん達の笑顔で向い入れられ、部屋のカギを受け取る。
今回はちょっとばかり奮発し、特等室などを確保する。
だが、しか〜し!!
エントランスのソファの片隅に、異様な生き物が大量にうごめいとるではないか。
だらしなく着崩した制服の小汚い連中。
修学旅行生の集団かよ・・・
それとなく、事務長さんにたずねてみる。
「苫小牧までの洋上研修です。」と、えらく低姿勢で答えられてしまい、逆にこちらが恐縮してしまう。
アウウ、何だか悪夢の予感
ともかく、今回は個室をゲットしているので良しとしよう。
お楽しみ、特等洋室のドアを開ける。(旅行記写真TF、26枚目)
テーブルの上には、客室担当さんのかわいらしい手書きのウェルカムメモが。
そんな心使いに思わずニッコリ。(^^)

『灯台もと暗し・・・』

19:00
シャワーを使い、さっぱりしたところでレストランへ。 (TF、8枚目)
ディナーバイキング ¥1800也。
いつものバイキングではあるが、昨日のことを思えば何も言うまい。
それにしても、ここのスタッフさん達の勤務態度のすばらしい事。
常に笑顔を絶やさずに、お客さんに絶えず視線を向けている。
料理が無くなれば華奢な体で大鍋を運んだり、テーブルが空けば直ぐに片付けを。
キビキビとしたその接客態度には、何時見ても感心するばかりである。
このサービスを1800円で受けられる価値を理解してもらいたいものである。
それにしても、そこの高校生!
研修の一環として、お姉さん達の働く様子を見習いなさい。
良い見本が目の前に有る事を、引率教師からして理解していないんじゃないかな?
何の為の研修旅行なのか・・・
本当にもったいない限りである。

さて、私にとっては栄養補給のお時間と・・・いっただきま〜す。(^。^)
お久しぶりのステーキ肉、3枚にムシャぶりつく。 ←フッ、悲しいかな、これが現実さ。
あとは、野菜サラダとフレンチフライのテンコ盛り。
食後のデザートにケーキとアイス。
それでもって、コーヒーで締めくくる。
ウ〜ン、結構ハード・・・って言うか、ヘビー!
モトは充分取ったぞと大満足。

21:00
船内放送によりスターライトラウンジでショーの開催をPR。
生バンドと女性歌手による、なつかしの歌謡ショーが始まる。
客層に合わせた昭和歌謡のスタンダード。
「こらアカンわ。」って訳で10分ほどで退出。
とりあえず、ヨットクラブのコーヒーでくつろぐ。

さて、船内イベントもおおかた終了。
伊勢湾を出たのか、波浪の影響で動揺を覚えるようになってきた。
ムフフ、洋上研修の学生君には良い試練になるだろう・・・
・・・・こりゃ、学生!夜中のデッキを徒党を組んで走り回るんじゃない!!
くっそ〜!連中の若さを過少評価しすぎたようだぜ。
あまりに元気すぎるじゃないかぁ・・・
そんなこんなで、何時の間にか・・・zzz。

『朝の展望風呂』
2003年05月28日、
04:10、起床。
昨夜の揺れもなんのその。
と言うか、揺れたかどうかも判らないほど熟睡していた鈍感な私。
眠い目をこすりつつ、トップデッキに上がる。
恒例、朝日の撮影。
水平線上には雲が残ってはいるものの、空は明るくなり始めている。
左舷後方、まだ暗さの残る空の下、利島のシルエットが望める。
うねりも昨晩ほどではないが、ブリッジを基点に水平線を見れば、ピッチングの変化が良く判る。
朝日を眺めようと、数名の方がデッキに上がって来られる。
毎度の事ながら、洋上の朝日は何ともスガスガしい気分である。(旅行記写真TF、17〜25枚目)

御来光の次のイベントと言えば、朝一番の展望風呂!!
誰もいない湯舟に身を沈め、朝日に輝く海原を眺める。
船のピッチングに合わせて湯舟が踊る。
ウ〜ン、これだから一番風呂はやめらんない。
他の交通機関では決して味わえない、至福の時間である。
飛行機に風呂があるか?ブルートレインだって時間制限のシャワーだろ。
大体やねぇ、テレビの旅行番組と言えば、列車旅行とかやってるけど、こんな優雅な船旅を紹介したこと無いんやないの。
テレビ局のディレクターさん、あんたら節穴?
等と、かなり偏った意見の持ち主・・・(w
そう言えば、寝台列車も絶滅の予感。

風呂上がりの後は朝飯だ。
今回は、ヨットクラブでモーニングセットをいただく。¥650也。
朝は軽めをお望みの方、丁度良い按配でお勧めです。
ついでに、スチュワーデスさんに2・3質問して時間をつぶす。
・昨日の揺れは、一昨日に比べて小さかった事。(そりゃつまらない!)
・研修旅行、修学旅行はこれから多いとの事。(そりゃ大変!)

その後、船内であっちゃゴロゴロ、こっちゃゴロゴロで時間をつぶす。
それでも、お昼時間迄は若干の時間がある。
運動不足解消に、デッキに出て歩き回る事に。
空は夏を想わせるような日差し、そして潮風がとっても心地よい・・・。
まさに気分は最高〜!(TF、27〜31枚目)
休憩時間なのか、ワイワイ、キャピキャピと3人のスチュワーデスさんが下から上がってくる。
ピンクのエプロンは新人さん達であろうか。
背伸びをしたり、船尾の手すりに持たれかかり、ウェーキを眺めながらタイタニックごっこに興じている。
ヲイヲイそれって・・・と思わずツッコミを入れたくなるが、でも可愛いからいいっか。(w

ランチのお時間です。(なんか食う事ばかり・・・)
¥900を支払い、料理を漁る。
ナポリタンにカレーライス、野菜サラダetc・・・。
元は獲らねばの元関西人魂が皿の上を覆い尽くし・・・完食。(我ながら、あさましい!)

『「きたかみ」との邂逅』
14:00時
午後の最大のイベント開始。
船長トークショーと「きたかみ」邂逅ショー(?)。
スターライトラウンジの入り口側を陣取る。
30名弱の入りと、本日は少々寂しい入り。
昨夜の女性歌手が司会進行役で、船長さんを招きいれる。
が、・・・しゃべるは、しゃべる、船長さん。
ホールはまさに船長さんの独演場!
内容はと言えば。
1. 昨晩の船の揺れと酔い止め対策。(遅いって!)
2. 海鳥の見分け方(カモメとウミネコetc)
3. 新造船のあらまし等々・・・。
その中で興味深いお話をご紹介。
200m超の大型船は伊良湖崎で航行が制限されるので、新造船は制限一杯の199mになった事。(巨大船制限の事ね)
新造船の速力アップは、仙台港の停泊時間延長に充てるとの事。
  *苫小牧港の入港10:45は、港の都合で動かせないそうです。(初聞です)
その分の余裕は、仙台着岸時間の延長に当てる事。
仙台着岸時間を利用して、乗船客に松島・仙台観光を楽しんでもらう企画が有るとか・・・

結局、司会に時間切れを知らされるまで、お一人でしゃべりまくり。
見事なエンターテーナー振りでした。
おかげで、質疑応答は時間の都合で一人だけとの事。(何だよ!)
思わず手を上げようとすると、船長さんの正面側に座っていた御仁が御指名を受ける。
タッチの差で敗退。(無念・・・)
さも得意げそうな顔のこの御仁、年初の「すいせん」漂流事件の顛末に付いて質問する。
*この事件も衝撃的でした。
ヲイヲイ、おっさん、他社さんの話題じゃね〜か。
それも、新潟・小樽間なんて間違えてからに。
それでも船長さん、懇切丁寧に事件のあらまし、乗員の機転工夫によるエンジン再始動のお話で時間切れ・・・。
左舷デッキへ乗客を誘導し、邂逅時間まで船長さんを囲んでのトークが続く。
ブリッジから船長さんにメッセージが入る。
「きたかみ」の仙台出港が遅れ、10分ほど予定時間が遅れるとの由。
左舷デッキは乗客で既にすずなり。
このイベントを見逃すものかと、何台ものカメラが向けられている。

ふと横を見ると、スウェット姿でリラックスしている娘さん達が何人か混じっている。
今回の乗客にこんな娘達がいたっけか?! ←我ながら、なんてぇ観察力だろ(w
よくよく見れば、ヨットクラブで見かけたマリンスチュワーデスの皆さんでした。
勤務時間外という事で、アップでまとめた髪を下し、ラフなスウェット姿。
制服姿とのギャップと、街中にいる普通のお嬢さん達と変わらぬ姿に思わず笑みが浮かぶ。
それに気付いたのか、目線が合った彼女とお互いに短い挨拶を交わす。

「見つけた。」と、トップデッキに陣取る学生が船首方向を指差しながら声を上げる。
一瞬のざわめきと共に乗客達が手すりにもたれかかる。
その瞬間、手すりがギシリと軋む!
まさか、落っこちるんじゃないだろうな!(w

前方の水平線からにじみだすかのように、僚船「きたかみ」の白いシルエットが現れる。
徐々にその姿を大きくする「きたかみ」。(旅行記写真TF、32〜39枚目)
逆光の為、あまり良い被写体ではないが、うねりを乗り越える際の迫力は満点。
ブリッジ側の乗務員区画のドアが開き、休憩中のスチュワーデスさん達が現れる。
同僚でもいるのだろうか、「きたかみ」に手を振りながら大きな声で何かを叫んでいる。
ウ〜ン、若いって良いねぇ。・・・しみじみ思っちゃうオジさんでした。
クライマックスは、「きたかみ」「いしかり」の長声一発。
演出と判っていても、いつ見ても感動的なシーンである。

後方に走り去った「きたかみ」を見送っていると、片手で抑えきれない長い髪を風になびかせながら「良い写真が撮れましたか?」と先程のスチュワーデスさん。
「逆光気味でしたからね。あっ、でも、良いもの見せてもらいましたヨ。」と返事する。
何が良いものかって、そりゃあなた・・・(*^。^*) 
23枚目の見切れた髪がその証拠!(w

その後、ヨットクラブでジャズの生演奏とコーヒーを楽しむうちに、仙台入港の時間となる。(旅行記写真TF、40枚目)
すかさずデッキに駆け上がり、仙台港を眺める。
ここで、カバンの中からおもむろにエビセンを取り出す。
戦闘準備良し。
敵機を視認。
直ちにエビセンを散布。
集まる集まる、ウミネコさん。
尻尾が白くて、足がピンクなのがウミネコさん・・・だったっけ?先程の船長さんの話では・・・
周りの乗客も興奮し、そんな物は食わんのではなかろうかと思うような物まであげている。
オ〜ィ、そんなものを野鳥の会が見てたら卒倒するぞ!!
学生君達は学生君達で、携帯のカメラでウミネコさんを撮ろうと四苦八苦。
そ〜んなもんで撮れたら、苦労はせんがねぇ。と何故だか名古屋弁で独り言。
そんな姿を横目で見つつ、エビセン散布に勤しむ。
それにしても、仙台港のウミネコ君はへたくそだな。
新潟や小樽の連中は手渡し出来たものなのだが・・・

『途中下船』
そんなこんなで、定刻に仙台着岸。
下船名簿に記帳し、仙台上陸。
心配された一昨日の地震の影響は無かったようだ。
幾組かの途中下船組が、産業道路沿いのジャスコ目指して歩き始めている。
私も、遅れまじと船からまっすぐ北に歩く。
踏切を越え、臨海鉄道の線路沿いの左に大きく曲がる道を進む。
15分程で産業道路に突き当たり、右折するとそこがジャスコである。
私はそのまま隣にある本屋を目指す。
結局興味を引くような本が見つからず、そのままジャスコで夕食を調達。
さすがに連夜のバイキング料理はどうかと思い、今回はパス。
汗だくになって、夕日の仙台港に戻る。(旅行記写真TF、48枚目)
ついでに「いしかり」の船首を撮影。(旅行記写真TF、49・50枚目)
隣のバースには、貨物船から降ろされた、新幹線「つばさ」らしき新車両を2両目撃。これまた撮影。(旅行記写真TF、1枚目)
そういえば、3年前にも、1編成分の新幹線をデリックで船から降ろしてたっけ。
ところで、どっから線路に乗せるんでしょう?考え始めたら眠れ・・・←古ッ

ギャングウェイから「いしかり」に乗船する直前、ふと船首方向を眺める。
夕日が「いしかり」の白い船体をオレンジ色に染めている。
照り返しでオレンジに輝く船体を撮影。(旅行記写真TF、4枚目)
暫く足を止め、その風景を眺めて過ごし、エントランスホールに戻る。
結局、1時間30分の上陸と散歩を楽しむ。

『北海道へ』
帰船確認名簿に記帳して船室へ。
たっぷりかいた汗をシャワーで流し、一人寂しくディナー(弁当)をとる。
例の出港30分前のドラとアナウンスが入る。
外に出ると、既に真っ暗。
知合いがいるわけもでも無いのに、右舷デッキでターミナルを見てたたずむ。
船尾ランプが収容され、ホーサーが解かれる。
船内放送でワルツ奏でられ、タグが曲に合わせるかのように船尾を岸壁から引き離す。
(教養不足故、曲名は不明。)
船尾をグルッと回すように船首を港外に向ける「いしかり」。
紳士にアシストされてダンスを舞うかの様にきれいに旋回する「いしかり」嬢。
ただし、1万5千トンの大きすぎるお嬢様はご愛嬌・・・。
船の動きに合わせたBGMにワルツを選曲したそのセンスに拍手!
*私は2001年宇宙の旅の月面着陸シーンをダブらせてオツに入ってましたが・・・
出港後、急に襲ってきた眠気に船室へ退散。
その後の夜のイベントはパス。

『霧、霧、・・・』

2003年05月29日
04:10、起床。
外は明るいものの、ガスでまわりの風景がな〜んにも見えない!(旅行記写真TF、9・10枚目)
ここは腹を据えての二度寝。(これがまた気持ちいいんだわ。)

08:00
空腹をおぼえ起床。レストランへ。
朝食バイキング、¥1,100也。
朝は軽目にミニオムレツ2ヶとソーセージ数本。
クロワッサンを3つに、あとは野菜サラダを少々。
デザートのプリンもゲットし、コーヒーを2杯頂く。 ←軽目の朝食?何処が!
何故か船旅は朝からでも食が進む。 ←腹周りがヤバイ

10:00
依然、外は一面のガス。
真上は青空なのだが、水平方向の視界は真っ白なガスの中。
デッキを抜ける風は、流石に肌寒く感じる。
一昨日の鹿児島のねっとりとした暑さがウソのようだ。
学生たちが数人、デッキの片隅で何かを見つけて騒いでいる。
うずくまって動けなくなったミズナギドリを保護しようとしているようだ。
だが、誰も手を出せずに騒いでいるだけ。
情けない連中だなぁ。
結局、私が確保する。
そこへ、連絡を受けた事務長さんとスチュワーデスさんが駆けつけ、タオルを敷き詰めたダンボール箱に保護する。
そんな面白いハプニングに出会えるのも、船旅の楽しさ故なのか。

11:00、苫小牧港
「いしかり」下船。
初夏を思わせる苫小牧港に上陸。
充実の38時間、快適な船旅が終わってしまった。
まさに終わってしまった。という表現がふさわしい航海だった。

下船後は、狂ったナビをセットアップし、次の目的地を目指す。
待ってろよ。「れいんぼう べる」!!

旅はいまだ道半ば、次章に続くッたら続く・・・ ←つくづく、俺って奴は

参考:
自動販売機の値段は地上とほぼ同じだったと思う・・・(無責任)
 *当時はPET500mlが¥180でしたが、現在は¥150です。(H16年5月現在)

コンセント情報
1、ショップ前のソファコーナーの窓下に2箇所。
 *壁からソファまで1.5m程度。但しケーブル配索にはご注意を。
2、ヨットクラブの展望窓下に2乃至3箇所。
*コーヒーを飲みながらPCが楽しめるが、目立ちすぎて×。
3、ヨットクラブとショップの間の通路、ソファと折りたたみイスの並べてある壁際に1箇所。
* ここは小テーブル1つ置いている為、PC作業には便利な場所です。
4、展望通路の壁下に3箇所。
* 通路を横断するように延長ケーブルを取り廻す為、他の乗船客の迷惑にならない様にしましょう。(ガムテープ等で養生したほうが良いでしょう。)
5、エントランスホール。
幾つかあるようだが、確認できず。人の出入りが多く、基本的にPC作業には不都合なスペースかと。

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