『兇行、7日間日本一周船の旅。その5』“霧の北海道、迷走編”
写真旅行記 2003年、日本一周室蘭参照

『初夏の北海道』

2003年5月29日
11:00
長崎の「れいんぼう らぶ」を後にしてから、既に4日目が経過。
いよいよ、室蘭に係留中の姉妹船、「れいんぼう べる」とのご体面である。

朝方は肌寒さを覚えたものだが、お昼前の現在では意外に暑い。
ラジオのニュースは、道内各地で25度を超えていると伝えている。
なんと、北見市に至っては30度!夏を思わせる日差しで、車のエアコンは既に全開である。
ヲイヲイ、まだ5月だぞ!それも北海道だぞ!?
登別室蘭ICを降りるが、海岸線通りは霧の中。
室蘭港は大丈夫かぁ〜!?

『室蘭フェリーターミナル』

霧の道を抜けると、そこは室蘭だった・・・。(w
と、何処かで聞いたような台詞をはきつつ、室蘭フェリーターミナル到着。
白鳥大橋の頭頂部以外は霧に包まれている。
そして、人気の少ない静まり返った港内に霧笛が鳴り響いている。
異次元にでも迷い込んでしまった様な、不思議な感覚に襲われる。

さて、気を取り直し、フェリーターミナルへ。
立派なターミナルの横に、目指す「れいんぼう べる」が係留されている。(旅行記写真室蘭、2・3枚目)
錆び付き、疲れた船を予想していたが、予想以上に手入れが行き届いている。
長崎の「らぶ」と共に、いますぐ航路投入出来そうな良好な状態である。
夏場の繁忙期に航路投入願いたいものだ。

13:00
空腹を覚え、ターミナル3階のレストランへ。
食事をしていると、ツナギ服にヘルメット姿の係員が姿を現し、ターミナル内が慌ただしくなる。
フト、窓の外を眺めて見ると・・・。
タグボートにエスコートされ、霧の中から抜け出しつつあるフェリーを見つける。(旅行記写真室蘭、20〜23、1枚目)
イヤァ〜、驚いたのなんのって。
なんとも神秘的な入港シーンであろう。
八戸発「べにりあ」の到着のようだ。
とりあえず皿の上のものを口の中に詰め込み、熱いコーヒーを流し込んで片付ける。
あたふたとターミナルを飛び出し、撮影場所の確保に右往左往。
「らぶ」とは反対側のバースに着岸するようである。
幾枚か写真を撮り終え、霧に包まれた白鳥大橋を渡り、室蘭港を後にする。

『自然の脅威と人の強さと・・・』

次の目的地は洞爺湖。
洞爺湖温泉街に突如火山が出現し、その被害に慄然としたあの町である。
いまでは火口付近への立ち入りが可能になっているらしい。
洞爺湖温泉街を通りすぎ、しばらく進むと噴火口見学コースの看板が現れる。
町営駐車場の誘導員の指示に従い駐車場へ。
車を置いて見学コースの遊歩道を歩く。
水没した旧230号線を背景に、噴煙たなびく火口群が目に飛び込む。
火口付近に近づくにつれ、そこかしらの地面から、小さな地割れや、蒸気の噴出が見られる。
火口隆起地帯の展望台の向うには、被災した幼稚園跡や多数の民家がのぞめる。
いずれの家屋も、噴石で打ち抜かれ、土石に半分埋もれた姿をさらしている。
テレビでは決して伝わらない、当時の住民のが感じていたであろう恐怖の一端が理解できる風景である。
まったく、自然の脅威とは良く言ったものだと思う。
それでも、遊歩道入り口沿いは、休憩所やらおみやげ物屋さんがズラリと立ち並んでいて、おばさん達が観光客相手に元気な呼び込みの声をかけている!
火山の被害をものとせず、元気にがんばっている地元の人達のパワーには脱帽するのみ。
「おばちゃ〜ん、がんばってや!」と心の中で声援。
だったら、土産の一つでも買ってけよな・・・とすかさず一人ツッコミ。(旅行記写真室蘭、7〜11枚目)
『室蘭港、再び』

15:00
次の乗船時間迄かなり時間の余裕がある為、もう一度室蘭港に顔を出すことにする。
霧の影響もなくなり、青空の下で「べる」「べにりあ」の白い船体が映える。
これは好判断だった。
再度、両船の姿を撮影。(旅行記写真室蘭、12・13・16枚目)
ついでに対岸公園横のバースに係留している内航貨物船などを眺める。
ペンキ缶を持ってファンネルを補修している船員さん、船から自転車を降ろして買出しに向う船員さん。
普段見ることのない、海の男の生活を垣間見る。

『魅惑のオ・シ・リ』
公園記念碑の向こうに巡視船が停泊していたので、早速覗きに。
巡視船「えとも」、1000トンクラスのベテラン巡視船である。(旅行記写真室蘭、14枚目)
実は、巡視船なるものを間近に見るのはこれが初めて。
船首ブルワーク上の機銃。
ウォータージェットの搭載艇。
狭いデッキに所狭しと設置されている備品群。
そのたたずまいには、一種の緊張感が漂っている。
決して大きくはないこの船で、荒波の中に出動していく様子を思い浮かんでくる。
そして、その業務の困難さを感じる。
さて、乗組員の大半が下船中なのか、開け放たれたドアからは人の気配が感じられない。
デッキ下の居住区用の丸い舷窓が何ともめずらしい。
カーテンの隙間から中を覗く事は出来ないが、何となく男所帯が予想される。
それにしても「えとも」のお尻の可愛らしい事。(旅行記写真室蘭、15枚目)
クラシカルな丸いスタン形状で、とっても魅力的に見えてしまう。
淑女のお尻をたっぷり堪能した後、記念の写真を一枚。

さて、大方の目的は達成したことだし、夕方の混雑を避けるため、苫小牧に戻るとしますか。

本日の収穫
九越フェリー「れいんぼう べる」
東日本フェリー「べにりあ」
巡視船 「えとも」
その他 貨物船 2隻(船名を記録せず)

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